豆柴ってどんな犬? 豆柴選びの注意点とポイント
最近、豆柴と呼ばれる小柄な柴犬が話題を呼んでいます。家庭犬としてのニーズが高まる中、より飼いやすい・扱いやすい犬種を求めて誕生した豆柴ですが、豆柴とはいったいどんな犬なのでしょうか。
豆柴のスタンダードは確立されていませんが、一般的には主に成犬時の体重が 5kg 程度の柴犬を指すようです。日本を中心に室内でも飼育できる小型犬の流行に乗って台頭してきました。小型なため価格は柴犬よりも高価であることがほとんどです。
現在の日本で柴犬を扱う登録団体としては、ジャパン・ケネル・クラブ(JKC)と日本犬保存会があります。しかし、このどちらも現時点では「豆柴」を正式な犬種としては認めていないため(スタンダードが確立されておらず、血統書も発行されない)、「豆柴」の指し示す個体の特徴は曖昧な状態です。
今、世間で「豆柴」と呼ばれている犬は、それぞれのブリーダーさんが独自の基準で判断したもので、例えば次のような柴犬もブリーダーさんが「豆柴」と呼べば、全て豆柴になります。
- たまたま小ぶりの柴犬が生まれた
- 食事制限をして小ぶりの柴犬にした
- 未熟児の柴犬だった
- 近親交配(掛け合わせるべきでない交配)によって誕生した柴犬だった
- 小ぶりの両親を掛け合わせたものを単に「豆柴」と呼んでいる
では、豆柴はいけないものなのでしょうか? その判断基準は「健全性」にあります。
心身共に健康で他犬種と比肩しても遜色ない寿命を持つ豆柴がいたとしたら、それは小型犬が好まれる日本の環境にマッチした素晴らしいワンちゃんでしょう。しかし、実際には上記のような「豆柴らしき」柴犬が混在していることに問題があります。
豆柴の現状を理解するにはトイ・プードルを例に考えてみると分かりやすいでしょう。トイ・プードルは元々スタンダードサイズのプードルが小型化されて現在に至っており、今では正式な犬種として認められているのはご承知の通りです。
しかし、当時、トイサイズのプードルが世に出た頃には「豆柴」と同じ問題が発生していたのです。それが長い年月とブリーダーさんの努力によって、遺伝的性質が安定化され、現在では健康なトイ・プードルを当たり前のように手にすることが出来ます。
現在、「豆柴」と呼ばれている犬種はこの変化の過程にあり、そのため通常の犬選びよりもリスクを伴うことを頭に置いておかなければなりません。具体的には、小さいために体が脆弱であったり(死亡リスクが高く治療費も嵩む)、成犬時には通常の柴犬と変わらないサイズまで大きくなってしまうリスクです。
豆柴をお求めになる場合は、ブリーダーさんにその素性をきちんと確かめることが必要です。もちろんそういったことが出来るサイトやお店で選ぶべきです。また、豆柴にこだわらず、小さめサイズの柴犬を選ばれるのも間違いの少ない方法でしょう。