犬の目にはこう見える! 犬の色の識別
皆さんは、犬の目が周りの風景をどのように捉えているか(どのように見えているか)知っていますか? 一昔前までは犬の目は色盲と同じで、全てが白黒で見えていると言われていたのですが、最近の研究ではどうも違うことがわかってきたらしいんです。
目(網膜)には色を識別する円錐状の細胞があり、これを視細胞(錐状体)と言いますが、視細胞には3種類あって、それぞれ青・赤・緑色を識別出来るようになっています。それぞれの視細胞が受けた刺激の強さを合成して、様々な色として認識しているんですね。この仕組みはテレビやプリンタが基本的に RGB(Red/Green/Blue) の三色で色を表現しているのと同じですね。
ところが犬は青と黄色を識別する2つの視細胞しか持っていないことが、アメリカの科学者 Jay Neitz の実験によって分かってきました。また、ロシアの科学研究チームの実験でそのことがほぼ間違いないことも分かっています。
チームは、色の違いと明るさの違いの2つの要素に対して、異なる品種の犬8頭に対して実験を行いました。青と黄色の明るさの異なる色が印刷された4つの箱を用意し、そのうち暗い黄色が印刷された箱に常にエサを入れて、犬に当てさせます。この訓練を受けた犬はその箱の色(または明るさ)を覚えたようで、中にエサがなくてもその箱を選ぶようになりました。
しかしこのままでは犬はその箱の色の明るさによって選んだかもしれない疑念が残ります。
そこで今度は明るい黄色の箱と暗い青色の箱の2つだけで実験すると、犬は高い確率で暗い黄色の箱を選んだのです。もし、犬が明るさで判断していたのなら暗い青色の箱を選んだはずです。こうして犬は青と黄色を識別していることがはっきりしました。
詳しくはこちらのサイト(英文)をご覧ください。
それでは犬には私たちの風景がいったいどんな風に見えているのでしょうか? 犬には赤や緑の視細胞がありませんから、これらの色は特に人間と違って見えるはずです。う~ん、何とも物足りない感じの色合いになりますね。
例えば、芝生がいっぱいのお庭で暖色系の赤やオレンジ、黄色のボールを投げると犬にはどう見えるでしょうか? そう、似たような色に見えて探しにくいかもしれませんね。ボールなど、犬が喜んで探すような遊び道具は、青や紫などの寒色系がよさそうですね。
出典:Mail Online, Santon Dog Obedience