新しい人と犬との関係性を模索しよう! 保護犬のこれから
現在日本では、毎年約8万頭もの犬が保護犬になっているとされています。しかも、そのうちの5万頭以上が殺処分されているという現状を鑑みると、彼らのために一刻も早く行動を起こさなければならないという差し迫った状況が浮き彫りになります。
そもそも保護犬とは、飼い主に捨てられてしまったり、災害等で飼い主とはぐれてしまい、動物愛護センターなどで一時的に保護されている犬のことです。かつては毎年10万頭もの犬が保護されていました。
元衆議院議員で料理研究家の藤野真紀子さんが代表理事を務める『TOKYO ZERO キャンペーン』では、保護犬を減らすためにできることとして3つの解決策を掲げています。
1.先進国としてのペットビジネス1つ目は、ペット産業の適正化を図るために必要な「8週齢規制」の早期実現です。動物福祉や安易な飼育放棄につながりかねない仔犬の販売規制は、欧米先進国ではすでに常識とされています。
ただし、この規制にも特質両面があることを忘れてはなりません。例えばボーダーコリーのような賢い犬種では、長く親元に止めることによって逆に夜泣きがひどくなるなど、顕著化する問題もあるのです。
2.動物愛護センターの役割また、動物愛護センターの役割についても問題提起を行っています。日本の動物愛護センターは捨てられた犬や猫の受け皿となっていますが、その実態は、殺処分されるまで劣悪な環境で飼育しているだけです。本来であれば、ドイツにあるような新たな飼い主を待つための保護施設であるべきですよね。
3.新しい飼い主の認識さらに、保護された犬や猫との出会いが少ないという現状もあります。新しく動物を飼おうと思っている人に対し、保護犬への正しい知識と理解を醸成できれば、殺処分はより減ることでしょう。
フジテレビの『ニュースJAPAN』にてメインキャスターを務めていたフリーアナウンサーの滝川クリステルさんは、2014年5月に『一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル』を立ち上げました。フランス語で「ともに人生を歩む」「一緒の命」という意味です。こちらの財団では、犬をはじめとする人間と動物たちとの共存・共生を目指し、日々活動を行っています。
そんな滝川クリステルさんは、自身が保護犬の飼い主でもあります。東日本大震災の後、福島県浪江町に取り残されてしまった成犬の「アリス」とともに、保護犬のあり方について考えながら生活をしているのですね。ぜひみなさんも彼女を見習って、まず、保護犬に対して何が出来るのかを考えることからはじめてみてはいかがでしょうか。