家族で考えよう! 災害時のペットと同行避難
みなさんのご家庭では、大きな災害が起きたとき、どのようにワンちゃんと避難するか、また家族であるワンちゃんの非常食や備品の準備などは整っていますか? 今日は忘れもしないあの東日本大震災を振り返って、もしものときのワンちゃん同伴の避難について一緒に考えてみましょう。

もうすぐ、あの東日本大震災から3年がたとうとしています。地震発生後の原発事故の影響もあり、多くの被災者と被災動物たちが離れ離れになりました。大地震の翌日、避難指示が出されたとき、飼い主たちはすぐに戻れるものと思ってワンちゃんを家においてきたり、庭につないでおいたりしてきました。しかしその後、原発から20km圏内は立ち入り禁止区域となり、動物たちは飼い主の帰りを待ちながら餓死し、また迷子となっています。
そんな被災ワンちゃんの対応が課題となり、環境省は昨年の8月に「被災動物の救護対策ガイドライン」を定め「災害発生時は、原則として飼い主とワンちゃんは同行避難を行う」と明記しました。今後、自治体に対して避難所や仮設住宅へのワンちゃん受け入れの配慮を求めるそうです。これによりワンちゃん同行避難者の扱いは、各地域防災拠点の取り決めによるものとなります。
しかし実際には、避難してきたワンちゃんを安全で迷惑がかからない一時避難場所としてどこにするか、などはほとんどの自治会がまだ手つかずの状態です。大切なことは、私たち飼い主が自ら進んで地域自治体に関わり働きかけていくこと。中越大震災や東日本大震災と同じ不幸な事態が繰り返されないように。

ワンちゃんと一緒に避難するために必要なもの、こととは?
①非常時持ち出し用品・フード(食べなれたものを最低1週間分くらい)
・飲み水(ワンちゃんボトルなどに保存されたもの、1週間分くらい)
・スペア用の首輪とリード
・食器(できればフード用・水用)
・常備薬(持病がある場合は多めに)
・ワンちゃんの写真(行方不明になった時の捜索の際に役立ちます)
・健康メモ(生年月日・ワクチン接種、病歴などの情報)
・ワンちゃんシーツ
・ガムテープやコロコロ(抜けた毛の処理に)
・汚物処理用具(ビニール袋、ティッシュ、新聞紙など)
・タオル、毛布(ケガの手当て、防寒、寝床の敷物、ケージの目隠しに)
・トイレ
・キャリー、クレート、ケージ(移動時、避難先での生活空間に)
②迷子対策
・鑑札
・狂犬病予防注射済票
・迷子札
・マイクロチップ
③しつけ
避難所での集団生活のあらゆる場面で、「ふせ」「おいで」「ハウス」などの基本的なしつけができていると大変役立ちます。日ごろから信頼関係を築き、非常時でも飼い主の指示を聞いて落ち着いていられるようにしましょう。
④ほかにもこんな備えがあると安心です
・クレート、キャリー、ケージに慣れさせておく
・トイレトレーニング(シートやトイレの上でも排泄できるように)
・不妊去勢手術
・地元自治体や地域でのワンちゃん同伴避難に関する情報収集
・いざというときの預け先、連絡先
またワンちゃんを守るには、飼い主であるあなたの命が一番大切です。家具の転倒防止、家屋の耐震性などは大丈夫ですか?ワンちゃんはあなたにしか守れません。そしてワンちゃんはあなたのそばが一番安心するということを忘れないでくださいね。